

Samaiden
ソリューション:商用屋根設置型太陽光発電
Samaiden Group Berhad(以下、Samaiden)は、再生可能エネルギー設備の設計・施工および運用・保守を手がけるマレーシアの再生可能エネルギー企業です。最近、同社は国際的な繊維メーカーであるRamatex Group of Companiesと提携し、総投資額6億5千万円(NTD)をかけて合計42MWの屋上型太陽光発電所の建設を行いました。本案件が系統連系されると、年間約52,745MWhのグリーン電力を生産し、初年度だけで約33,704トンのCO₂排出を削減、今後20年間で累計67万トン以上のCO₂削減が見込まれています。
複雑な電力構造に対応し、運用効率と接続安定性を強化
本案件は、自家消費型の大規模屋上型太陽光発電所で、30棟の工場屋上にまたがり、合計328台のインバータと3,280ストリングのソーラーモジュールが設置されています。発電所全体の電力インフラは非常に複雑で、6つのエリアに分かれた屋上には、それぞれ異なる構成が施されています。一部では「逆潮流なしの系内連携(non-export)」を採用し、他の一部では余剰電力の売電(フィードイン)も行われています。
また、設置場所がエンドユーザーの工場屋上であるため、有線ネットワークの構築は簡単ではありませんでした。ネットワーク事業者と協力し、無線アクセスポイント(Access Point)を用いたソリューションを設計。工場の運営を妨げることなく、全ての屋上ソーラー装置の情報を取得できる仕組みを構築しました。
さらに、屋上間の制御やPQIVデータをTNB SCADAシステムに送信するために、マスター・スレーブ構成も採用。シングナリオのPHOTON遠隔監視システムを導入することで、施工上の様々な課題を乗り越え、EPCチームが高効率かつ省力的にプロジェクトを遂行できるよう支援しました。
AIによるスマート診断で保守運用を支援
30棟におよぶ工場屋上にまたがるこの発電所では、保守作業の現場環境も非常に過酷です。各機器やソーラーストリングを一つずつ目視で確認するのは、膨大な時間と人手が必要です。
PHOTON遠隔監視システムは、大量のデータを収集し、AIモデルで解析することで、全発電所を能動的に監視。異常が発生した際は即座にアラートを発信し、保守担当者が迅速に断線や故障原因を特定できるよう支援します。
また、thingnarioは複数屋上にまたがる構成に特化した設計を提供し、異常イベントをグループベースで管理。問題の分類、潜在的な損失の見積もり、保守タスクの優先順位付けを通じて、保守の意思決定を最適化。これにより、保守チームの作業効率は大幅に向上しました。